酸化物半導体の縦型トランジスターを用いるDRAM技術OCTRAMが、高いON電流と極めて低いOFF電流を両立した。キャパシターの上にトランジスターを集積する4F²構成で、メモリー密度の向上と低消費電力化を狙う。
円筒形の酸化物半導体トランジスターをセルに使う
キオクシアとメモリーメーカーのNanya Technologyが共同開発したOCTRAMは、酸化物半導体を用いる4F² DRAM技術だ。セルのトランジスターには、円筒形のInGaZnO縦型トランジスターを採用する。InGaZnOはインジウム、ガリウム、亜鉛、酸素からなる化合物で、この材料を使った縦型構造をDRAMセルに組み込んだ。
キャパシターを先に形成して工程の影響を切り離す
OCTRAMのセルでは、高アスペクト比のキャパシターを先に形成し、その上にInGaZnO縦型トランジスターを集積する。この形成順序をcapacitor-first processと呼ぶ。キオクシアは、この配置によって先端キャパシター工程とInGaZnOの性能との相互影響を切り離せるとしている。
セル当たり15μA超のON電流と1aA未満のOFF電流
キオクシアの報告では、デバイスと工程を最適化したInGaZnO縦型トランジスターのON電流は、セル当たり15μAを超えた。OFF電流はセル当たり1aA未満で、1aAは10のマイナス18乗Aに相当する。開発したトランジスターは、ON時に高い電流を流す特性と、OFF時の漏れ電流を極めて小さく抑える特性を同時に備える。
4F²構成で密度を高め、低い漏れ電流を生かす
キオクシアは、円筒形の縦型トランジスターを用いる4F² DRAMの設計が、従来のシリコンを用いた6F² DRAMよりメモリー密度で優位になるとしている。密度を高めるセル構成に加え、InGaZnOトランジスターの極めて低い漏れ電流を生かすことで、低消費電力DRAMの実現を見込んでいる。