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小型衛星用のホール推進機、マイクロ波で起動遅延を解消とPale Blue

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    50〜200kg級の小型衛星向けに、即時起動をうたうホール推進システムPBH-100が新製品として発表された。

  2. 実現の仕組み

    マイクロ波カソードが、マイクロ波放電でプラズマを生成して電子ビームを放出する。

  3. 得られた結果

    PBH-100の公開仕様は電力120〜200W、推力5〜7.7mNで、総力積は5万N·sを超える。

  4. 従来との違い

    PBH-100は推進剤を工場で充填して納品する設計を採用し、打ち上げ場所での充填作業を不要にする。

地球の縁を背景に小型衛星が推進系を作動させる編集イラスト。衛星に搭載されたタンク、配管、電力装置、ホールスラスタと、マイクロ波カソード内のプラズマおよび電子流を示す円形の断面図が描かれている。
AI生成画像

小型衛星向けホール推進システムPBH-100は、マイクロ波カソードの採用で起動遅延を解消するとしている。推進システムメーカーのPale Blueが新製品として発表したもので、主に50〜200kg級の衛星を対象に、推進機と電力処理装置、タンクを一体化する。

起動時間の短縮で衛星機器の稼働時間を確保する

Pale Blueが新製品として発表したホール推進システムPBH-100は、主に50〜200kg級の小型衛星を対象とする。小型衛星向けに、推進システムを小型化した製品だ。

Pale Blueによると、衛星のミッション機器とスラスタを同時に運転することは難しい場合が多い。機器の稼働時間を確保するには、スラスタの起動から機動を終えるまでの時間を短くする必要があり、起動方式が製品設計の焦点となる。

マイクロ波カソードが電子ビームを放出する

PBH-100は、日本のマイクロ波カソード技術を採用する。この電子源は、マイクロ波放電でプラズマを生成し、電子ビームを放出する。

Pale Blueは、このカソードの採用によって、従来の小型衛星用ホールスラスタに生じる起動遅延を解消するとしている。即時起動は、この電子源を組み込んだ製品の能力として示されている。

電力120〜200Wで推力5〜7.7mNの仕様

PBH-100の公開仕様は、電力120〜200W、推力5〜7.7mNである。推進剤を含む質量は10kg未満で、総力積は5万N·sを超える。

推進機とタンクを一体化し、工場で推進剤を充填

推進システムは、スラスタヘッド、流体系、電力処理装置、推進剤タンクを一体化している。公開仕様の外形寸法は300×300×150mmで、この中に推進系の各要素を収める。

タンクには工場からの納品前に推進剤を充填する設計で、打ち上げ場所での充填作業を不要にする。衛星への組み込みでは、要望に応じて部品の配置と取り付け方法を変更できる。