モーター制御用マイコンRA2T1は、三相電流を同時に取り込む機能を内蔵した。電流を順番に測る方式に対し、ルネサスは制御精度が高まるとしている。インバーター向けのPWM生成と過電流時の出力遮断にも対応し、製品と開発用ソフトウェアの提供が始まっている。
3チャネルで三相電流を同時に取り込む
ルネサス エレクトロニクスが発売したモーター制御用マイコンRA2T1は、ブラシレスDCモーターの三相電流値を同時に検出する。電流の取り込みには、入力信号を採取して保持するサンプル&ホールド機能を3チャネル使う。
この機能は12ビットADCに組み込まれている。ルネサスは、三相電流を順次測定する方式と比べ、同時検出によって高い制御精度が得られるとしている。
インバーター向けのPWM波形をタイマーで生成
電流の検出に加え、RA2T1はモーターを駆動する側の波形生成機能も備える。内蔵タイマーの相補PWM機能は、デッドタイムを自動的に挿入する。
このタイマーは非対称PWMの生成にも対応する。ルネサスは、相補PWM機能をインバーター駆動向けに最適化し、制御アルゴリズムの実装を容易にするとしている。
過電流の検出からPWM出力の遮断へつなぐ
PWM出力には、過電流を検出した際の遮断機能が組み合わされている。ポート出力許可機能と高速コンパレーターが連携し、過電流検出時にPWM出力を素早く遮断する。
遮断時の出力状態は、接続するインバーターの仕様に合わせて選択できる。保護・診断機能には、SRAMのパリティーエラーチェック、ADC自己診断、クロック周波数精度の測定、不正なメモリーアクセスの検出も含まれる。
モーター評価と既存コードの利用に対応
RA2T1と開発用ソフトウェアFlexible Software Package(FSP)は、提供が始まっている。FSPには利用者の既存コードと、選択したRTOSを組み込むことができる。
モーターを使った評価では、永久磁石同期モーターに対応するFlexible Motor Control開発キットと、開発ツールRenesas Motor Workbenchを利用できる。このキットはRAファミリーとRXファミリーの複数のモーター制御用マイコンに共通の設計プラットフォームを提供し、デバイス間でのIP移行に対応する。