リチウムイオン電池の監視・制御に必要なファームウェアをあらかじめ組み込んだ電池管理ソリューション「R-BMS F」が登場した。内蔵マイコン向けの検証済み機能を使い、電池パックごとの条件はGUIから設定する。
監視・制御機能を内蔵フラッシュへ書き込む
ルネサス エレクトロニクスの電池管理ソリューションR-BMS Fは、電池残量計ICの内蔵マイコンに対応する検証済みファームウェアを備える。評価キットでは、このファームウェアを内蔵フラッシュメモリーへあらかじめ書き込んで提供する。
組み込み済みの機能には、個々のセルの電圧をそろえるセルバランシングと電流制御がある。電圧と温度の監視も含み、電池管理に使う処理を内蔵マイコン上で実行する。
電池の測定回路とマイコンを一つのICに収める
これらの機能を動かす電池残量計ICは、電池用アナログフロントエンドと低消費電力のRL78マイコンを単一パッケージに収める。アナログ部はセル電圧、電流、温度を測定する。
アナログ部は測定に加えて、アナログデータをデジタル信号へ変換する。外付けMOSFETの制御もこの部分が担い、電池に接する回路とデジタル処理を同じICに組み込む。
電池ごとの条件はGUIから設定する
組み込み済みファームウェアを使う一方で、電池パックの要件やセルの化学系に応じたパラメーターは変更できる。ルネサスによると、開発者は統合開発環境を用意せず、GUIからこれらの設定を行うことができる。
評価キットには、設定に使うGUIソフトウェアと専用開発ツールに加え、USB接続のSMBusインターフェースとホストとの通信ケーブルが含まれる。ハードウェア設計用の文書として、回路図と部品表も付属する。
直列2~4セルと3~10セル向けを供給
電池の直列セル数に応じて、2種類の構成を用意する。2~4セル向けは電池残量計ICのRAJ240055を使い、小型掃除機やロボット掃除機、民生機器、医療機器を対象とする。
3~10セル向けは電池残量計ICのRAJ240100およびRAJ240090を使い、電動自転車、掃除機、ロボット、ドローンなどを対象とする。ルネサスは両構成を量産数量で供給しており、評価キットも出荷可能としている。