Semiconductor

電池管理ICに検証済みファームウェアを組み合わせて提供

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    電池管理ソリューションR-BMS Fでは、開発者がGUIで電池パックの条件やセルの化学系を設定できる。

  2. 実現の仕組み

    電池用アナログ回路とRL78マイコンを一つのICに収め、セルバランシングや電流制御をファームウェアが担う。

  3. 得られた結果

    ルネサスは直列2~4セル向けと3~10セル向けの2種類を量産数量で供給し、評価キットも出荷可能としている。

  4. 従来との違い

    電池管理ICに、検証済みファームウェアをあらかじめ書き込んだ評価キットを組み合わせる提供形態が加わった。

直列につないだ4つの電池セルと、電池管理用ICを載せた基板を描いた編集イラスト。セルからICへ伸びる色分けした線が、電圧・温度の監視やセルバランシング、電流制御の関係を示している。
AI生成画像

リチウムイオン電池の監視・制御に必要なファームウェアをあらかじめ組み込んだ電池管理ソリューション「R-BMS F」が登場した。内蔵マイコン向けの検証済み機能を使い、電池パックごとの条件はGUIから設定する。

監視・制御機能を内蔵フラッシュへ書き込む

ルネサス エレクトロニクスの電池管理ソリューションR-BMS Fは、電池残量計ICの内蔵マイコンに対応する検証済みファームウェアを備える。評価キットでは、このファームウェアを内蔵フラッシュメモリーへあらかじめ書き込んで提供する。

組み込み済みの機能には、個々のセルの電圧をそろえるセルバランシングと電流制御がある。電圧と温度の監視も含み、電池管理に使う処理を内蔵マイコン上で実行する。

電池の測定回路とマイコンを一つのICに収める

これらの機能を動かす電池残量計ICは、電池用アナログフロントエンドと低消費電力のRL78マイコンを単一パッケージに収める。アナログ部はセル電圧、電流、温度を測定する。

アナログ部は測定に加えて、アナログデータをデジタル信号へ変換する。外付けMOSFETの制御もこの部分が担い、電池に接する回路とデジタル処理を同じICに組み込む。

電池ごとの条件はGUIから設定する

組み込み済みファームウェアを使う一方で、電池パックの要件やセルの化学系に応じたパラメーターは変更できる。ルネサスによると、開発者は統合開発環境を用意せず、GUIからこれらの設定を行うことができる。

評価キットには、設定に使うGUIソフトウェアと専用開発ツールに加え、USB接続のSMBusインターフェースとホストとの通信ケーブルが含まれる。ハードウェア設計用の文書として、回路図と部品表も付属する。

直列2~4セルと3~10セル向けを供給

電池の直列セル数に応じて、2種類の構成を用意する。2~4セル向けは電池残量計ICのRAJ240055を使い、小型掃除機やロボット掃除機、民生機器、医療機器を対象とする。

3~10セル向けは電池残量計ICのRAJ240100およびRAJ240090を使い、電動自転車、掃除機、ロボット、ドローンなどを対象とする。ルネサスは両構成を量産数量で供給しており、評価キットも出荷可能としている。