Semiconductor

ルネサスの650V GaNトランジスタ、従来比でオン抵抗14%低減

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    新しい650V GaNトランジスタは、標準的な市販ゲートドライバーで駆動できる。

  2. 実現の仕組み

    デプレッション型GaNに低電圧シリコンMOSFETを組み合わせ、ノーマリーオフ動作を実現する。

  3. 得られた結果

    ルネサスの公表値では、オン抵抗と出力容量の積による性能指標が従来のGen IV比で20%改善した。

  4. 従来との違い

    新世代のGen IV Plusでは、従来のGen IVよりダイ面積が14%小さくなった。

回路基板上の無銘の電力トランジスタを中心に、GaNとシリコンMOSFETの組み合わせを示す模式図と、パッケージ上面・基板側それぞれへの放熱経路を描いた編集イラスト。
AI生成画像

650Vの窒化ガリウム(GaN)電力変換用トランジスタ「Gen IV Plus」は、従来のGen IV比でオン抵抗を14%下げ、30mΩとした。シリコン互換の駆動構成を維持し、上面・下面の放熱経路を選べるパッケージを用意する。

オン抵抗30mΩと小型ダイを両立

ルネサス エレクトロニクスの公表値では、新世代の電力変換用トランジスタGen IV Plusは、オン抵抗が30mΩとなった。従来のGen IVに対する低減率は14%で、ダイ面積も14%小さくなっている。

オン抵抗だけでなく、出力容量との組み合わせにも改善がある。ルネサスは、両者の積による性能指標が従来世代比で20%改善したとしている。

シリコンMOSFETを入力段に使う駆動構成

新製品が採用する半導体構成SuperGaNは、デプレッション型GaNに低電圧シリコンMOSFETを組み合わせる。この組み合わせで、ゲートを駆動していないときにオフとなるノーマリーオフ動作を実現する。

入力段にはシリコンFETを使うため、駆動信号もシリコン向けの方式に対応する。ルネサスによると、新製品は標準的な市販ゲートドライバーで駆動できる。

上面と下面から選べる放熱経路

駆動構成に加え、実装時にはTOLT、TO-247、TOLLの3種類からパッケージを選択できる。表面実装用のTOLTは上面、TOLLは下面に熱伝導経路を持ち、放熱する方向が異なる。

これらのパッケージで供給する新製品を、ルネサスは1~10kWの電力システム向けとしている。さらに高い電力に対応する構成として、デバイスの並列接続を挙げている。

3製品の供給を開始し、既存設計の更新に対応

供給を開始した650V GaN FETは、TP65H030G4PRS、TP65H030G4PWS、TP65H030G4PQSの3製品である。いずれも新世代のGen IV Plusに属する。

ルネサスは、新製品が既存設計と互換性を持つとしている。製品の置き換えによって、既存の設計を生かした更新に対応する。