Semiconductor

磁石不要の位置センサーIC、絶対精度0.01度に対応

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    提供を開始したWeb設計ツールで、誘導式位置センサーのコイル配置、シミュレーション、調整を自動化できる。

  2. 実現の仕組み

    金属ターゲットと非接触の単一または二重コイル構成で、回転・直線・円弧の絶対位置を検出する。

  3. 得られた結果

    ルネサスの仕様では、二重コイル対応の位置センサーICは最大19ビットの分解能と0.01度の絶対精度を備える。

  4. 従来との違い

    低速用途の位置センサーICに、従来のZMID4200を置き換える単一コイル対応のRAA2P4200が加わった。

産業用回転機構の断面イラスト。基板上の銅コイルとセンサーICの上に、軸で回転する無地の金属ターゲットが非接触で配置されている。
AI生成画像

磁石を使わず、金属ターゲットとコイルで絶対位置を検出する産業向けセンサーIC3製品が量産供給に入った。ルネサスの仕様では、二重コイル対応品は最大19ビットの分解能と0.01度の絶対精度を備える。外付けコイルの設計を自動化するWebツールも利用できる。

金属ターゲットとコイルで絶対位置を読む

誘導式位置センサーは、磁石の代わりに金属ターゲットと非接触のコイルを使う。半導体メーカーのルネサス エレクトロニクスが量産供給する位置センサーICは、RAA2P3226、RAA2P3200、RAA2P4200の3製品で、評価キットも用意されている。

検出部分は単一または二重のコイル構成を取り、回転、直線、円弧の絶対位置を検出する。システムにはプリント基板、受動部品を伴うIC、可動部に取り付けた金属ターゲットを組み合わせる。

二重コイル対応品は最大19ビットで位置を出力

ルネサスが示す3製品の検出精度は、電気的なフルスケール範囲の0.1%より良好である。このうち二重コイルに対応するRAA2P3226は、最大19ビットの分解能と0.01度の絶対精度を備える。電源投入時から位置情報を出力する機能も持つ。

位置検出の速度について、ルネサスはRAA2P3226とRAA2P3200が電気角換算で毎分60万回転に対応し、伝搬遅延は100ナノ秒未満としている。この回転数は電気角に対する値である。RAA2P3200は高速モーターの転流に、単一コイル構成のRAA2P4200は医療機器や電動工具などの低速用途に向けた製品となる。

空隙の変動と位置出力をIC内で補正

3製品はいずれも、空隙の変動を補償する自動利得制御を備える。位置出力の精度を整えるため、自動校正に加え、16点の線形化機能も組み込まれている。

仕様上の動作温度範囲は、3製品ともマイナス40度から125度である。低速用途を担うRAA2P4200については、ルネサスは従来の位置センサーICであるZMID4200を置き換える製品として位置付けている。

外付けコイルの配置と調整をWebで自動化

ICと組み合わせる外付けの送信・受信コイルは、精度を得るために、装置の機械的条件と環境要件に合わせて構成する必要がある。Web設計ツールのInductive Position Sensor Coil Optimizerは、このコイル配置、シミュレーション、調整を自動化する。

ルネサスによると、この設計ツールでは性能を見積もり、製造上の制約に合わせてコイル配置を最適化することができる。ツールは提供を開始しており、新しい3製品を含むルネサスの全誘導式位置センサー製品をサポートする。