ソフトウェアスタンバイ時の消費電流が公表値で0.2µAとなる32ビットマイコンRA0E1の出荷が始まった。1.6~5.5Vの動作電圧範囲と高精度の内蔵発振器を備え、電圧変換やクロック生成に使う外付け部品を省ける構成だ。
32MHzの演算コアと低消費電流の待機モード
ルネサス エレクトロニクスが出荷を開始したRA0E1は、新しいRA0シリーズの初製品群に当たる。32MHzのArm Cortex-M23を搭載し、32ビットのマイコンとして機器の制御を担う。
ルネサスが公表した消費電流は、処理を実行するアクティブモードで84.3µA/MHz、ソフトウェアスタンバイモードで0.2µAとなる。動作周波数当たりの電流を示すアクティブモードの値と、待機状態の電流を示すスタンバイの値を、それぞれの動作モードに対応する仕様として示している。
5V系への接続と周辺回路をチップ内に取り込む
RA0E1の動作電圧範囲は1.6~5.5Vで、5Vのシステムにも対応する。ルネサスは、この電圧範囲によってレベルシフターやレギュレーターを省けるとしている。
RA0はタイマー、シリアル通信、アナログ、安全機能に加え、人と機器をつなぐHMI機能を内蔵する。RA0E1のアナログ回路には12ビットADC、温度センサー、内部基準電圧が含まれ、制御の演算コアとアナログ信号を取り込む回路を一つのマイコンに備える。
内蔵発振器が−40~105℃で±1.0%の精度を維持
クロック生成には、高速内蔵発振器HOCOを備える。ルネサスによると、この発振器は−40~105℃の温度範囲で±1.0%の精度を維持する。
発振器の精度は、シリアル通信の速度を表すボーレートの精度にもつながる。ルネサスは、高精度の内蔵発振器を使うことでボーレート精度を高め、外付け発振器を省けるとしている。
既存コードを組み込める開発環境と試作用ボード
RA0E1のソフトウェア開発には、ルネサスの開発用ソフトウェアFlexible Software Package(FSP)を利用できる。FSPは既存コードや利用者が選ぶRTOSを組み込めるため、既存のソフトウェア資産を取り入れてアプリケーションを構成することができる。
製品の出荷開始に合わせてFSPも利用可能になった。実機での試作には、RA0E1を搭載した試作用ボードRA0E1 Fast Prototyping Boardも提供されている。