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1GHzマイコンRA8P1がAI推論用の専用回路を内蔵

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    マイコンRA8P1は、最大500万画素のカメラセンサーから画像を取り込むことができる。

  2. 実現の仕組み

    AI専用演算回路Ethos-U55が、ニューラルネットワークの重い演算をCPUから引き受ける。

  3. 得られた結果

    ルネサスは、ネットワークによって毎秒推論回数がCortex-M85単独の最大35倍になるとしている。

  4. 従来との違い

    RA8P1は不揮発性メモリーにMRAMを採用し、ルネサスがフラッシュより高速な書き込みと高い耐久性を示す構成になった。

電子工作台の上で、カメラモジュールから画像タイルの流れが伸び、マイコン基板上の専用演算部に届く様子を描いたイラスト。
AI生成画像

1GHzのCPUにAI専用演算回路を組み合わせたマイコンRA8P1が登場した。ニューラルネットワークの重い演算を専用回路へ移し、画像や音声のAI処理を対象とする。ルネサス エレクトロニクスは、ネットワークによってCPU単独比で最大35倍の毎秒推論回数を得られるとしている。

CPUから重い演算を引き受けるAI専用回路

ルネサス エレクトロニクスが開発したマイコンRA8P1群は、1GHzのArm Cortex-M85を搭載する。250MHzの補助CPUコアCortex-M33を加える構成も選択でき、これらのCPUとAI専用演算回路のArm Ethos-U55 NPUを組み合わせる。

NPUは、畳み込みニューラルネットワークと再帰型ニューラルネットワークの計算負荷が大きい演算をCPUから引き受ける。ルネサス エレクトロニクスは、500MHz動作時のAI演算性能を256 GOPS、すなわち毎秒2560億回の演算としている。毎秒推論回数は、使用するネットワークによってCortex-M85単独の最大35倍になるという。

画像と音声を取り込む入力回路

画像AIの入力には、最大500万画素のセンサーに対応する16ビットのカメラインターフェースを備える。別の入力経路としてMIPI CSI-2にも対応し、2レーンで各レーン最大720Mbpsの画像データを受け取る構成になっている。

音声AI向けには、I2SとPDMの音声インターフェースがマイク入力に対応する。入力後の処理で生じる中間演算結果には内蔵の2MB SRAMを利用でき、このメモリーは画像表示用のフレームバッファーにも使える。

モデルの重みを内蔵MRAMに保存する

演算途中のデータを置くSRAMに加え、アプリケーションコードやモデルの重みなどの保存にはMRAMを利用する。RA8P1には1MBのMRAMを内蔵する構成があり、プログラムとAIモデルの保存先をチップ内に持つ。

製造には、半導体製造企業TSMCの22nmプロセス22ULLを採用し、このプロセスで磁気抵抗メモリーであるMRAMを内蔵する。ルネサス エレクトロニクスは、採用したMRAMがフラッシュメモリーより高速に書き込め、書き換え耐久性とデータ保持性能にも優れるとしている。

学習済みモデルを実装へつなぐRUHMI

保存するモデルをマイコンへ実装するため、AI開発フレームワークRUHMIも用意した。この開発基盤はモデルの最適化と量子化に加え、演算グラフのコンパイルと変換を行い、ソースコードを生成する。

学習済みニューラルネットワークの配置には、ツール、API、コード生成器、実行環境を提供する。RA8P1向けに最適化したモデルとアプリケーション例も含まれる。