Semiconductor

ルネサスの自社開発RISC-Vコアが汎用マイコンで製品化

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    汎用マイコンR9A02G021で、無償の開発環境と試作用ボードを使った組み込み開発が可能になった。

  2. 実現の仕組み

    最大48MHzのCPUコアに、コード・データ用メモリーとアナログ変換・シリアル通信回路を組み合わせる。

  3. 得られた結果

    ソフトウェアスタンバイ時の消費電流は、ルネサスの公表値で0.3µAとなる。

  4. 従来との違い

    自社開発コアを搭載するデバイスの供給が、限定顧客へのサンプル提供から汎用マイコンの一般販売へ進んだ。

明るい作業台の上で、無印のマイコンを載せた試作用ボードがノートPCと小型アナログセンサにつながれている手描き風イラスト。
AI生成画像

自社開発の32ビットRISC-V CPUコアが、メモリーとアナログ・通信回路を備える汎用マイコンとして製品化された。R9A02G021は最大48MHzで動作し、開発環境と試作用ボードも利用できる。

限定顧客へのサンプル提供から一般販売へ

ルネサス エレクトロニクスは、自社開発の32ビットRISC-V CPUコアを汎用マイコンR9A02G021に搭載し、世界の販売代理店を通じて販売を開始した。RISC-Vは命令セットの仕様が公開されたアーキテクチャーで、この製品ではCPUコアそのものをルネサスが開発している。

2023年11月には、このコアを搭載するデバイスを限定顧客へサンプル提供していた。今回の製品化によって、供給段階が汎用マイコンの一般販売へ進んだ。

48MHzのCPUにコード・データ用メモリーを内蔵

CPUコアの動作周波数は最大48MHzである。プログラムを保存するコード用フラッシュ128KBと、SRAM 16KBを同じマイコンに内蔵する。

コード用とは別に、データ保存用のフラッシュ4KBも備える。演算を担うCPUと、コード・実行時のデータ・保存データを扱うメモリーを一つのデバイスに組み合わせた構成だ。

アナログ変換と通信回路にスタンバイ動作を組み合わせる

外部との信号の受け渡しには、12ビットADCと8ビットDACを備える。シリアル通信にはUART、SPI、I2C、SAUを搭載し、アナログ信号の変換とデジタル通信の両方をマイコン内の回路で扱う。

ルネサスが公表するソフトウェアスタンバイ時の消費電流は0.3µAで、スタンバイからの復帰時間は4µsである。動作電圧は1.6〜5.5V、動作周囲温度は−40〜125℃の範囲に対応する。

無償の開発環境と試作用ボードを提供

このマイコンのソフトウェア開発には、ルネサスの無償の統合開発環境e² studioを利用できる。コード設定ツールとLLVMコンパイラーに加え、試作用ボードFPBも提供され、ソフトウェアと実機の開発手段がそろう。

開発環境の選択肢には、開発ツール企業IARとSEGGERの製品も含まれる。両社は対応する開発環境とデバッグ機器を提供する。