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車載開発基盤RoXで実機を待たずにソフトウェアを検証

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    ルネサスの車載開発基盤RoXでは、実機が利用可能になる前からソフトウェアを設計・デバッグ・検証できる。

  2. 実現の仕組み

    クラウド経由のAI開発環境は、仮想開発環境またはルネサスのボード群を使ってモデルの検証・最適化とアプリケーションのテストを行う。

  3. 得られた結果

    商用版はR-Car上での動作を事前テスト済みで、運転支援と車載情報・娯楽システム向けの検証済みソフトウェアを含む。

  4. 従来との違い

    AI開発環境がAWSに対応し、R-Car SDKがAWS上でコンテナー化された。

クラウド型の仮想環境で車載ソフトウェアを検証し、汎用の開発ボードへ展開する流れを描いた編集イラスト。
AI生成画像

車載開発基盤RoXは、OSやソフトウェア、開発ツールを事前統合し、実機を待たずに設計と検証を進める環境を提供する。クラウドと仮想開発環境を使い、車載ソフトウェアの開発をハードウェアの準備と並行して進める。

OSと車載アプリケーションを事前統合

ルネサス エレクトロニクスが発売した車載開発基盤R-Car Open Access(RoX)は、車載半導体ファミリーR-Car向けのハードウェア、OS、ソフトウェア、開発ツールを統合する。ソフトウェアの選択肢として、ロイヤルティーフリーの構成を使うRoX Whiteboxと、商用ソフトウェアを使うRoX Licensedを用意した。

WhiteboxにはAndroid Automotive OSやLinuxなどのOS、ハイパーバイザーのXen、特定の車載機能向け参照アプリケーションが含まれる。LicensedはQNXやRed Hat In-Vehicle Operating System、AUTOSAR準拠ソフトウェアなどを基盤とする。商用版はR-CarのSoCとマイコンでの動作を事前にテストしており、STRADVISIONの運転支援向けソフトウェアや、車載情報・娯楽システム向け開発ソフトウェアCandera CGI Studioを含む検証済みスタックを備える。

実機への配備前に仮想環境で設計・デバッグ

事前統合されたソフトウェアを開発するため、RoXはクラウド環境と仮想開発環境を組み合わせる。ルネサス エレクトロニクスによると、開発者は実機が利用可能になる前から設計に着手し、シミュレーションでデバッグと検証を進めることができる。

仮想開発環境には、シミュレーターのRenesas Fast Simulator(RFS)に加え、ASTC VLAB VDMとSynopsys Virtualizer Development Kit(VDK)が含まれる。これらの環境でソフトウェアを検証したうえで、実際のSoCやマイコンへ配備する開発経路を用意する。

AIモデルの検証を仮想環境とボード群で進める

AIアプリケーションの開発には、AI開発環境AI Workbenchを提供する。モデルの検証・最適化とアプリケーションのテストはクラウド経由で行い、実行先には仮想開発環境またはルネサスのボード群を利用できる。

R-CarへのAI実装を支援するツールとして、AIモデルと自動化パイプラインに加え、ハイブリッドコンパイラーツールチェーンHyCoも用意する。これらは、複数世代のR-Car SoCへのAI実装を支える構成となっている。

AWS上の開発環境からR-Carへの配備につなぐ

AI Workbenchは、クラウドサービスAmazon Web Services(AWS)に対応した。R-Car向けソフトウェア開発キットのR-Car SDKは、AWSのクラウド環境でコンテナー化されている。

ルネサス エレクトロニクスによると、この統合によりハードウェアとソフトウェアの組み合わせをシミュレーションし、テストすることができる。その開発環境から、R-Car上で動作するAIアプリケーションの配備につなげる。