表示用MPUのRZ/G3Eが、AI推論用の専用回路を統合して発売された。4コアCPUとNPUを組み合わせ、端末内の画像・音声処理に対応する。独立した2画面へのフルHD出力と、メモリーデータを保持した低消費電力待機も備える。
4コアCPUにAI処理用NPUを加える
ルネサス エレクトロニクスは、操作・表示インターフェース向けの64ビットMPU「RZ/G3E」を発売した。RZ/GシリーズにAI処理用NPUを加えた製品で、最大1.8GHzで動作する4コアのCortex-A55に、Cortex-M33とNPUのEthos-U55を組み合わせる。
ルネサスは、この構成によってCPU負荷を抑えながら、画像分類、物体認識、音声認識、異常検知を実行するとしている。表示機器の端末内でAI推論を処理するための専用回路を、CPUと同じMPUに備えた。
カメラ入力と独立した2画面出力を備える
画像処理に使う入力側には、映像入力やセンシング向けのMIPI-CSIカメラインターフェースを備える。表示側は、デュアルリンクLVDS、MIPI-DSI、パラレルRGBの各出力に対応する。
ルネサスの仕様では、独立した2画面に1920×1080画素のフルHD映像を毎秒60フレームで出力する。AI処理を担うNPUに加えて、カメラからの映像入力と2画面への表示出力を同じMPUに備える構成だ。
メモリーを保持して深い待機状態から復帰
表示やAI処理を行う動作状態に加え、RZ/G3Eは低消費電力で待機する機能を持つ。ルネサスは、サブCPUと周辺機能を動作させた状態で約50mW、深い待機状態では約1mWの消費電力を実現するとしている。
深い待機状態では、DDRのセルフリフレッシュによってメモリーデータを保持する。このデータ保持により、ルネサスはLinuxアプリケーションを実行する際に高速復帰が可能になるとしている。
Linuxの長期保守と評価用実機を用意
Linux環境には、Civil Infrastructure Platformを基盤とするソフトウェアパッケージのVerified Linux Packageを用意する。ルネサスは10年超の保守サポートを提供し、半導体本体も製品長期供給プログラムによる15年の供給対象としている。
RZ/G3E本体と評価ボードキットは、7月29日に提供が始まった。評価キットはSMARC v2.1.1のモジュールボードとキャリアボードで構成される。