Semiconductor

表示用MPUが128MBメモリーを内蔵、2層基板に対応

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    表示用MPUのRZ/A3Mは、最大1280×800画素のLCDへの出力とUSBカメラ画像の取り込みに対応する。

  2. 実現の仕組み

    主要信号の端子をパッケージ外周側へ、電源とGNDの端子を内側へ配置し、基板の配線を引き出しやすくした。

  3. 得られた結果

    ルネサスは、メモリー統合と端子配置によって2層基板で設計できるRZ/A3Mの量産供給を開始した。

  4. 従来との違い

    基板上で外付けしていた表示用の大容量メモリーを、128MBのDDR3L SDRAMとしてMPUと同じパッケージへ収めた。

明るい作業台の緑色基板中央に汎用のSiPパッケージが載り、USBカメラとLCDが接続された編集イラスト。
AI生成画像

表示用MPUのRZ/A3Mは、128MBのDDR3L SDRAMを同一パッケージに統合し、外付けDDRメモリーへの高速配線を不要にした。主要信号端子も外周側へ配置し、ルネサス エレクトロニクスは2層基板での設計に対応するとしている。

外付けDDRメモリーへの高速配線を省く

ルネサス エレクトロニクスの表示用MPU「RZ/A3M」は、128MBのDDR3L SDRAMをSiPと呼ぶ一つのパッケージに収めた。表示処理に使う大容量メモリーを基板上で外付けする構成から、MPUと同じパッケージに統合する構成へ移している。

ルネサスによると、この統合により、外付けDDRメモリーを接続する高速信号インターフェースの基板設計が不要になる。演算側には最大1GHzの64ビットArm Cortex-A55を搭載し、誤り訂正機能付きの128KB SRAMも備える。

外周側の信号端子で2層基板に対応

メモリーへの高速配線をパッケージ内に収めたうえで、基板へ引き出す端子の配置も調整した。244端子のLFBGAパッケージは17mm角で、端子間隔は0.8mmとなっている。

主要信号の端子は外周側の列に、GNDと電源の端子は内側に配置した。ルネサスは、メモリー統合とこの端子配置を組み合わせることで配線を簡素化し、2層基板でのシステム設計に対応するとしている。

1280×800画素の表示とカメラ入力を組み合わせる

画面への出力を担うLCDコントローラーは、最大1280×800画素に対応する。接続方式にはパラレルRGBと4レーンのMIPI-DSIを備え、2D描画エンジンも搭載する。ルネサスは、この描画エンジンとDDR3Lメモリー、CPUによって、アニメーションやリアルタイムのグラフ表示に対応するとしている。

USB 2.0にはUSBカメラを接続でき、画像を取り込むことができる。実行時に使うメモリーとは別に、データとコードの保存先として、QSPI経由の外付けNORフラッシュとNANDフラッシュにも対応する。

LCD付き評価キットと開発ソフトを提供

RZ/A3Mは、リアルタイムOSに対応するRZ/Aシリーズに属する。評価キット「EK-RZ/A3M」にはMIPI-DSI接続のLCDパネルが含まれ、画面を接続した構成で評価を始めることができる。

ルネサスはRZ/A3Mの量産供給を開始した。開発用ソフトウェアのFlexible Software Package(FSP)に加え、評価キットと開発ツールも提供している。