新旧の車載通信規格に対応する28nmマイコンRH850/U2Cが、既存の電子制御ユニットとの混在動作を支える。ルネサスは、車載ネットワークを段階的に移行できる製品として、暗号処理用アクセラレーターとASIL Dまでの機能安全対応を組み合わせた。
28nmのローエンド製品に4つのCPUコア
ルネサス エレクトロニクスが追加した車載マイコンRH850/U2Cは、28nmプロセスを用いる32ビット製品だ。RH850シリーズではローエンドに位置し、上位の車載マイコンRH850/U2Bと中位のRH850/U2Aを補う。
演算部には、最大320 MHzで動作する4つのRH850 CPUコアを備え、このうち2つはロックステップコアとなる。フラッシュメモリーは最大8 MBを内蔵する。
新しい通信規格と既存ecuの接続を両立
通信インターフェースは、Ethernet 10base-T1S、1 Gbps/100 MbpsのEthernet TSN、CAN-XL、I3Cに対応する。これらに加え、CAN-FD、LIN、UART、CXPI、I²C、I²S、PSI5との互換性も維持する。
ルネサスによると、この新旧のインターフェースを備えた構成によって、既存の電子制御ユニット(ecu)との混在動作が可能になるという。既存ecuとの接続を維持しながら、車載ネットワークを世代間で段階的に移行する用途に対応する。
安全対応と暗号処理の負荷分散を組み込む
車載ネットワークにつながる制御処理に向けて、RH850/U2Cは機能安全とサイバーセキュリティの双方に対応する。ルネサスは、機能安全規格ISO 26262に準拠し、ASIL Dまで対応するとしている。
サイバーセキュリティではISO/SAE 21434に準拠し、耐量子計算機暗号(PQC)を含む暗号アルゴリズムを支援するという。暗号処理には専用ハードウェアアクセラレーターを用い、CPUから処理を引き受けることでCPU負荷を減らす。
間欠動作の電力を抑え、実機評価へ
制御を継続的に実行しない場面には、専用スタンバイモードを備える。ルネサスは、このモードが深い停止状態と間欠動作での消費電力をさらに抑えるとしている。
RH850/U2Cは3月4日の発表時点で提供が始まっている。評価用スターターキットも用意され、実機での評価と開発の立ち上げに利用できる。