Semiconductor

CPUを介さず液晶表示を変える16ビットマイコン

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    16ビットマイコンRL78/L23は、プログラムを実行しながら別のメモリーバンクで更新データを受け取ることができる。

  2. 実現の仕組み

    表示処理を担うSMSが、CPUを介さずセグメント液晶の表示を動的に変える。

  3. 得られた結果

    ルネサスは、新しい参照モードVL4で液晶動作電流を従来のRL78/L1X比で約30%削減するとしている。

  4. 従来との違い

    低消費電力マイコンのRL78シリーズにRL78/L23が加わり、製品と試作・タッチ評価用機材の供給が始まった。

家電制御基板上の汎用マイコンから周辺制御回路を通じ、CPUを介さずセグメント液晶へ信号が送られる様子を描いたイラスト。液晶には文字のないバー状のセグメントが表示されている。
AI生成画像

16ビットマイコンRL78/L23は、CPUを介さずセグメント液晶の表示を変える制御機能を備える。新しい液晶参照モードも搭載し、ルネサスは従来のRL78/L1X比で液晶動作電流を約30%削減するとしている。製品の供給は始まっている。

表示処理をSMSへ移してCPUの起動を抑える

ルネサス エレクトロニクスのRL78/L23は、32MHzで動作する16ビットマイコンだ。表示処理用のSMS(SNOOZE Mode Sequencer)を備え、CPUを介さずセグメント液晶の表示を動的に変えることができる。

ルネサスは、表示処理をSMSへ移すことでCPUの起動回数を抑え、システム全体の省電力化に寄与するとしている。液晶コントローラーには新しい参照モードVL4も加え、このモードでは従来のRL78/L1Xグループに比べて液晶動作電流を約30%削減するという。

待機時電流は最小0.365μA、起動時間は1μs

表示処理を担う周辺回路に加え、CPUが動作する状態と待機する状態にも低消費電力の仕様を持たせている。ルネサスの公表値では、動作時電流は109μA/MHz、待機時電流は最小0.365μAとなる。

待機状態からの起動時間は1μsとされている。表示処理でCPUを起動する頻度を抑えるSMSと、CPUを起動する際の短い復帰時間を組み合わせた構成だ。

液晶とタッチ入力を内蔵し、5V電源にも対応

表示と入力を担う回路として、セグメント液晶コントローラーと静電容量式タッチ検出機能を内蔵する。温度センサーと内部発振器もマイコン内に組み込まれている。

動作電圧は1.6〜5.5Vで、家電などの5V電源から直接動作できる。加熱制御にはIH用タイマーKB40を備え、最大3チャネルの誘導加熱制御に対応する。

実行用と更新用のフラッシュメモリーを分ける

フラッシュメモリーは最大512KBで、二つのバンクに分けた構成を採る。ルネサスによると、一方でユーザープログラムを実行しながら、もう一方で更新データを受け取ることができる。

この構成を備えたRL78/L23はRL78シリーズに追加され、8月27日に供給が始まった。試作用ボードFPB-RL78L23と静電容量式タッチ評価システムRSSK-RL78L23も同時に提供を開始している。