血中アルコール濃度がゼロの運転者でも、夜間の死亡事故リスクは昼間の3.1〜3.9倍になると推定された。死亡事故データと実走行データから飲酒状態別の走行距離を再構成し、飲酒していない運転者に絞って時間帯による差を調べた結果だ。
飲酒状態別の走行距離を再構成する
自動運転技術を開発するWaymoは、死亡事故分析報告システムFARSの毒性検査データと、車両の実走行を記録するテレマティクスデータを照合した。両者を組み合わせたモデルで、飲酒していない運転者と飲酒による影響を受けた運転者の走行距離をそれぞれ推定した。
米国の全国交通データベースには、運転者の血中アルコール濃度別の走行距離が記録されていない。この欠けた走行距離を推定することで、飲酒状態別に死亡事故の件数と走行距離を対応させる比較基準を構築した。
50都市圏に血中アルコール濃度ゼロの比較基準
走行距離の推定対象は、米国の人口上位50都市圏だ。都市圏ごとに血中アルコール濃度ゼロの運転者の比較基準を設定し、道路種別や時間帯を区別した従来の地域別基準に、飲酒状態による区分を加えた。
Waymoの推定では、飲酒に関わる運転者を除いた都市部の平均死亡事故関与率は、1億マイルあたり1.42件から1.10件へ低下した。低下幅は23%で、飲酒していない運転者に絞った場合にも、走行距離あたりの死亡事故関与が残った。
飲酒による影響の大きさは都市で異なる
平均値の背後には地域差がある。飲酒による影響を受けた運転者を除いた際の死亡事故率の低下幅は、ヒューストンでは31%、ミネアポリスでは13%だった。
飲酒していない運転者にも残る夜間リスク
時間帯を分けたWaymoの推定では、血中アルコール濃度がゼロの運転者でも、夜間の死亡事故リスクは昼間の3.1〜3.9倍だった。比較対象の運転者自身が飲酒していないという条件でも、昼夜の差が認められた。
血中アルコール濃度ゼロという区分は、周囲の運転者まで飲酒していない状態を意味しない。Waymoは、飲酒していない運転者も飲酒による影響を受けた他の運転者に対応する必要があることを、夜間リスクが残る理由の一つとして挙げている。