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強い発汗反応が長く続くほど慢性ストレスが高い傾向

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    就労者の日常生活で発汗反応を連続計測し、慢性ストレスの自己評価との関連を検証した。

  2. 実現の仕組み

    手首装着型センサーで捉えた皮膚電気活動の特徴量を、月1回のストレス調査と統計モデルで照合した。

  3. 得られた結果

    高ストレス期と低ストレス期で発汗反応の日内変動が有意に異なり、高ストレス期には反応が高水準となる時間帯が多かった。

  4. 従来との違い

    アンケート中心の把握に生理反応との照合を加え、約24万8,000時間の計測データと1,693回の自己評価を統合して解析した。

職場の机でキーボードを操作する人の手首に、皮膚電気活動を連続計測する無地のセンサーが装着され、周囲に一日の発汗反応を示す抽象的な波形が描かれている。
AI生成画像

強い発汗反応が数日から数週間続き、その期間が長いほど、自己申告による慢性ストレスが高い傾向が確認された。就労者381名の連続計測と月1回のストレス調査を照合した検証では、高ストレス期と低ストレス期で一日の発汗反応の変動にも有意な違いがあった。

手首のセンサーで交感神経に伴う発汗反応を追う

手首装着型センサーは、交感神経の高まりに伴う発汗反応を捉える皮膚電気活動(EDA)の変化を連続計測する。NECとマサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの研究部門、アフェクティブ・コンピューティング・グループは、この計測を用いた慢性ストレス評価の技術を2023年9月から2025年8月にかけて共同で検証した。

NECは、従来のアンケート中心の評価では慢性ストレスを継続的に把握することが困難だったと説明している。今回の検証は、日常生活で計測した生理反応を自己申告のストレス評価と照合する構成を採った。

連続計測と月1回の自己評価を統計モデルで照合

連続計測したEDAの特徴量は、月1回実施する自己申告式の慢性ストレス尺度調査PSS-10と統計モデルで照合した。この調査は10項目の質問に5段階で回答する手法で、回答から得たストレスの自己評価を生理反応と対応させた。

対象は日本企業の従業員381名で、収集したデータは合計約24万8,000時間に及ぶ。そのうち就業時間帯のデータは14万1,000時間以上を占め、解析には1,693回の自己申告調査のスコアを統合した。

数日から数週間の反応の持続がストレスの高さと関連

NECとMITの検証では、数日から数週間にわたって発汗反応が強く、その期間が長いほど、自己申告による慢性ストレスが高い傾向が確認された。対応が見られたのは、強い発汗反応が続く期間と、本人が回答した慢性ストレスの高さである。

高ストレス期には一日の変動パターンも異なる

発汗反応は、持続する期間に加えて、一日の中での変動にも違いがあった。高ストレス期と低ストレス期では日内変動パターンが有意に異なり、高ストレス期には1分あたりの発汗反応が高水準となる時間帯が一日を通じて多く観測された。