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5Gを衛星通信に適用する国内実証設備を鹿島に構築

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    衛星通信規格5G NTNの技術検証・通信試験に向けた設備が、鹿島宇宙技術センターに構築された。

  2. 実現の仕組み

    Ka帯のゲートウェイアンテナが衛星との信号を送受信し、衛星通信システムと地上網をつなぐ。

  3. 得られた結果

    構築した設備について、衛星通信の利用に必要な免許を取得した。

  4. 従来との違い

    検証環境が限られ海外設備の利用が多かった国内に、5G NTNの実証用設備が加わった。

研究施設の屋上に設置された大型のKa帯パラボラ型ゲートウェイアンテナと、建物内のネットワーク機器。上空の衛星との送受信を示す矢印が描かれ、遠景には自動車とドローンが見える。
AI生成画像

5G技術を衛星通信へ適用する通信規格「5G NTN」の国内実証に向け、衛星と地上網をつなぐ設備が鹿島宇宙技術センターに構築された。運用開始は2026年内を目指し、自動車やドローンでの通信試験へつなげる。

海外設備の利用が多かった検証環境を国内に整備

情報通信研究機構(NICT)と電機メーカーのシャープは、茨城県鹿嶋市の鹿島宇宙技術センターに、衛星通信規格5G NTNの技術検証・通信試験用設備を構築した。両者によると、国内では検証環境が限られ、海外設備を利用するケースが多かった。

検証対象の5G NTNは、地上で普及している5G技術を衛星通信に適用する規格だ。この規格の実証に向け、国内に衛星と地上網を接続する設備を整えた。

固定アンテナが衛星と地上網を接続

設備は、建物屋上に設置したKa帯のパラボラ型ゲートウェイアンテナと、ネットワーク制御機器などで構成される。ゲートウェイアンテナは地上の決められた場所で衛星との信号を送受信し、衛星通信システムを地上の通信網へ接続する役割を持つ。

この固定設備とは別に、衛星へ接続する利用者側には衛星通信ユーザー端末を使う。ユーザー端末は、衛星通信アンテナやモデム機能などを統合した機器で、自動車やドローンに搭載する通信試験の対象となる。

免許を取得し、年内の運用開始を目指す

NICTとシャープは、構築した設備について衛星通信の利用に必要な免許を取得した。設備の運用開始は2026年内を目指している。

NICTが実験拠点の運用と宇宙通信の研究開発を担い、シャープがユーザー端末の開発とゲートウェイアンテナの調達・設置を担う。固定設備と利用者側の端末をそれぞれ整備し、通信試験につなげる。

移動中の通信品質と接続先の切り替えを試験

設備の運用開始後には、ユーザー端末を自動車やドローンに搭載し、移動体での通信品質と安定性を試験する計画だ。端末を移動させながら、衛星通信をモビリティ分野で利用するための検証を進める。

接続先の切り替えも検証対象となる。セルラー通信などの地上系ネットワークと衛星通信の間で、通信を維持しながら接続先を切り替えるハンドオーバー技術を試験する予定だ。