北極海氷の2026年の年間最小面積は、推定460万平方キロメートルとなった。衛星記録上の同率10番目の低さで、2007年以降の20年間が最小面積の小さい20年を占める。近年の夏の面積は比較的安定しているものの、長期平均を大きく下回る状態が続いている。
460万平方キロメートルを長期記録と比較する
米航空宇宙局(NASA)と米国立雪氷データセンター(NSIDC)の観測では、北極海氷は9月12日に2026年の年間最小面積に達した。推定面積は460万平方キロメートルで、2008年、2010年、2025年と並ぶ衛星記録上の同率10番目の低さとなった。
比較の基盤となる衛星観測は、1978年末から海氷の年間の拡大と後退を連続して追っている。この記録では、2007年から2026年までの20年間が、年間最小面積の小さい20年を占めている。
雲を通るマイクロ波で海氷を識別する
海氷面積の観測には、地球が自然に放出するマイクロ波エネルギーを測る受動マイクロ波センサーを使う。海氷は氷のない海面より多くのマイクロ波エネルギーを放出するため、その違いが画像上で海氷を識別する手掛かりになる。
マイクロ波は雲を通過するため、衛星は天候にかかわらず定期的に海氷を観測することができる。一方、北極点付近にはセンサーが歴史的に観測できていない領域があり、面積の推定ではこの領域を氷で覆われていると仮定する。
夏の面積が横ばいでも、多年氷は減っている
NASAによると、近年の9月の海氷面積は比較的安定しているが、夏の最小面積は長期平均を大きく下回っている。残る氷の構成も変わり、少なくとも一度の融解期を越えて残る多年氷が減少し、より薄い一年氷が主体となっている。
冬の最大面積も低い水準にある。2026年3月の年間最大面積は、2025年と統計的に同率で、衛星記録上の最小となった。
凍結を遅らせる海面の吸熱と、日射を減らす雲
NASA主導の研究は、1979年から2023年の衛星観測から、春に融け始めて秋に再び凍るまでの期間を調べた。融解期は1979年より約40日長くなった一方、2010年ごろから平均的な長さは比較的安定しており、長期化を主に生んだのは春の融解開始の早まりより秋の凍結の遅れだった。
2000年代の急速な海氷減少では、氷が失われて露出した暗い海面がより多くの日射を吸収し、追加のエネルギーが凍結を遅らせて融解期を長くした。2010年以降は雲の分布の変化が北極海の一部に届く日射を減らし、融解期の長さが年ごとに変動しながらも長期的には比較的安定することにつながった。