Space

耐放射線ICを搭載した有人月周回ミッションが打ち上げ

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    有人月周回ミッションの宇宙船とロケットに、機上電子機器や打ち上げの安全システムを支える耐放射線ICが組み込まれた。

  2. 実現の仕組み

    搭載ICが電力の調整・分配を担い、信号の品質維持と機上計算を支援する。

  3. 得られた結果

    Artemis IIは打ち上げに成功し、4人の宇宙飛行士が宇宙船で月周回に向かっている。

  4. 従来との違い

    数十年にわたり途絶えていた有人月周回ミッションが、Artemis IIの飛行で再開した。

海岸の発射施設から月へ向けて上昇する有人ロケットと、電力・信号・機上計算を示す汎用ICの模式図。
AI生成画像

耐放射線ICを電力制御や機上計算に用いる有人月周回ミッションArtemis IIが打ち上がった。ルネサスによると、搭載ICは宇宙船とロケットの複数のサブシステムに組み込まれ、放射線と極端な温度を想定した設計を備える。

宇宙船とロケットの複数のシステムに搭載

半導体メーカーのルネサス エレクトロニクスによると、NASAの有人月周回ミッションArtemis IIでは、有人宇宙船Orionと大型ロケットSpace Launch System(SLS)を含む複数のサブシステムに耐放射線ICが採用されている。Intersilブランドの搭載ICは、機上電子機器と打ち上げの安全システムに組み込まれている。

電力の調整・分配から機上計算まで支援

ルネサスは、搭載ICが電力を調整し、分配する役割を支えるとしている。電力に関わる処理に加え、信号の品質維持と機上計算も支援する。

放射線と極端な温度を想定した設計

こうした電力・信号・計算の支援を担うICには、有人宇宙ミッションの環境を想定した設計が用いられている。ルネサスは、高い放射線レベルと極端な温度にさらされても、信頼性を保って動作するよう設計したとしている。

4人が月周回へ向かい、飛行中にシステムを試験

ルネサスによると、Artemis IIは4月1日にフロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げに成功した。4人の宇宙飛行士がOrionで月周回に向かっており、数十年ぶりの有人月周回ミッションとなる。

乗員は帰還までの飛行中に、深宇宙環境で宇宙船システムを試験する予定である。試験の対象には、その環境での乗員のパフォーマンスも含まれる。