耐放射線ICを電力制御や機上計算に用いる有人月周回ミッションArtemis IIが打ち上がった。ルネサスによると、搭載ICは宇宙船とロケットの複数のサブシステムに組み込まれ、放射線と極端な温度を想定した設計を備える。
宇宙船とロケットの複数のシステムに搭載
半導体メーカーのルネサス エレクトロニクスによると、NASAの有人月周回ミッションArtemis IIでは、有人宇宙船Orionと大型ロケットSpace Launch System(SLS)を含む複数のサブシステムに耐放射線ICが採用されている。Intersilブランドの搭載ICは、機上電子機器と打ち上げの安全システムに組み込まれている。
電力の調整・分配から機上計算まで支援
ルネサスは、搭載ICが電力を調整し、分配する役割を支えるとしている。電力に関わる処理に加え、信号の品質維持と機上計算も支援する。
放射線と極端な温度を想定した設計
こうした電力・信号・計算の支援を担うICには、有人宇宙ミッションの環境を想定した設計が用いられている。ルネサスは、高い放射線レベルと極端な温度にさらされても、信頼性を保って動作するよう設計したとしている。
4人が月周回へ向かい、飛行中にシステムを試験
ルネサスによると、Artemis IIは4月1日にフロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げに成功した。4人の宇宙飛行士がOrionで月周回に向かっており、数十年ぶりの有人月周回ミッションとなる。
乗員は帰還までの飛行中に、深宇宙環境で宇宙船システムを試験する予定である。試験の対象には、その環境での乗員のパフォーマンスも含まれる。