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再突入する貨物船に12個の耐熱試験カプセルを搭載

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    耐熱材や形状の飛行試験に向け、12個の実験カプセルが貨物船に搭載されてISSを離れた。

  2. 実現の仕組み

    貨物船が大気中で分解するとカプセルを放出し、センサーの測定データを衛星通信で送る計画だ。

  3. 得られた結果

    試験対象の繊維系熱防護材MERINOは、NASAによると従来材より柔軟で、製造時間と費用を抑えられる。

  4. 従来との違い

    船内の12個の実験カプセルは、貨物船のISS離脱前に宇宙飛行士が起動した。

大気圏へ再突入する貨物船から試験カプセルが放出され、手前ではタングステン先端と繊維系耐熱材を組み合わせた二重円すいカプセル、左側では傘形の展開式シールドが降下する編集イラスト。
AI生成画像

12個の耐熱試験カプセルが、貨物船Cygnus XLに搭載されて国際宇宙ステーション(ISS)を離れた。再突入実験KREPE-3は、貨物船が大気中で分解する過程を利用し、3Dプリント製シールドや繊維系熱防護材、展開式シールドの飛行データを取得する計画だ。

貨物船の分解を利用して測定を始める

NASA向け第24回貨物補給ミッションのCygnus XLは、再突入実験KREPE-3の小型カプセル12個を載せてISSを離れた。宇宙飛行士は出発前に船内へ廃棄物を積み込み、実験カプセルを起動した。

ケンタッキー大学の学生が設計したカプセルは、温度、圧力、運動、磁場、光を測るセンサーを備える。再突入で貨物船が分解するとカプセルが放出され、各熱防護材料のデータを収集する計画だ。取得データは衛星通信を通じて研究者へリアルタイムで送り、材料が飛行中に受ける環境とその性能を調べる。

3Dプリントと繊維の積層で熱防護材を試す

試験対象には、スペースシャトルで使われたセラミックタイル材に加え、3Dプリント製の熱防護シールドが含まれる。後者はNASAジョンソン宇宙センターとオークリッジ国立研究所が開発したもので、製造方法の異なる熱防護部材を再突入環境へ持ち込む。

NASAエイムズ研究センターが提供する繊維系熱防護材MERINOは、炭素繊維とフェノール系繊維の層をフェルトのように縫い合わせた構造を持つ。この材料は2個のカプセルに搭載される。NASAは、従来の熱防護材より柔軟で、製造時間が短く、費用も低いとしている。

二重円すいと探査機の外殻で形状を検証する

MERINOは、二重円すい形の実験カプセルの後方部分にも使われる。このカプセルはタングステン製の先端に、炭素繊維と耐熱性プラスチック繊維を重ねた前方円すいを接続し、その後ろへMERINOで覆った円すいを組み合わせる。実際の飛行データを取得し、計算モデルを検証することが目的だ。

別のカプセルは、土星の衛星タイタンへ向かう探査計画Dragonflyの保護外殻を模した形状で、飛行中の姿勢の動的安定性を試験する。外側を覆うのは、NASAエイムズ研究センターが開発した熱防護材Phenolic Impregnated Carbon Ablatorだ。

傘形のシールドで表面積を増やして減速する

1個のカプセルは、展開式熱防護シールドAdaptable Deployable Entry and Placement Technologyを試験する。傘のような形状で表面積を増やし、降下を減速させる仕組みだ。

NASAは、実機規模でこのシールドを折り畳めれば、打ち上げロケットに収まる寸法より大きなペイロードの展開に適するとしている。今回のカプセルは、その展開式熱防護シールドを試す対象に含まれる。