H3ロケットの衛星フェアリングは、曲面に成形したアルミ製のコアへ炭素繊維強化プラスチックを自動積層する。パネル同士の結合にも複合材の板と接着剤を使い、川崎重工業は曲面の製造精度・強度の向上と、結合部分の軽量化を実現したとしている。
なだらかな先端の曲面へ細幅テープを積層
H3ロケットの衛星フェアリングは、先端がなだらかな曲面を描くオジャイブ形状を採用している。川崎重工業は、空気抵抗を少なくするこの形状を実現するため、3次元曲面に成形したアルミハニカムコアの上へCFRP(炭素繊維強化プラスチック)の細幅スリットテープを積層する方法を採用した。テープの積層には、自動積層機のAFPを用いる。
航空機胴体の積層技術を手作業の工程へ
曲面への積層には、川崎重工業が民間航空機の胴体製造で培ったAFPの技術を応用した。従来は作業員が手で行っていた工程で、素材同士の密着が難しい曲面形状でも、より高い精度を実現したとしている。強度についても、従来より高くなったと説明している。
自動積層に適したCFRP材料を開発
AFPへのCFRPの適用には、材料側の開発も伴った。川崎重工業は国内材料メーカーと協力し、積層性に優れた材料を開発した。航空機製造で培った積層技術に加え、積層する材料も用意した。
パネルの結合にもCFRPを使って軽量化
成形したフェアリングパネル同士の結合には、CFRP製の板と接着剤を使う。川崎重工業が開発したのは、OoA(Out of Autoclave、脱オートクレーブ)と呼ぶ成形・接着技術で、従来ボルトやナットで結合していた部分にも適用した。CFRPを用いた航空機部品の製造技術を活用し、この結合部分の軽量化を実現したとしている。