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IHIがレーダー衛星2基の運用とデータ取得を開始

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    運用を始めたレーダー衛星は、IHIによると昼夜・天候を問わず高解像度の地表データを取得できる。

  2. 実現の仕組み

    合成開口レーダーは、マイクロ波レーダーパルスを使って地球表面の画像を生成する。

  3. 得られた結果

    横浜港の撮像例では、5km×5kmの範囲を解像度25cmで捉えた画像が示された。

  4. 従来との違い

    4基を調達する衛星計画で、最初の2基が運用・データ取得段階へ進んだ。

雲の切れ間から港湾を観測する小型レーダー衛星。衛星から港へ複数の電波パルスが広がり、コンテナ埠頭や貨物船を含む観測範囲を示す編集イラスト。
AI生成画像

合成開口レーダー(SAR)衛星2基の運用とデータ取得が始まった。IHIが進める地球観測衛星計画の最初の2基で、横浜港とシンガポール港の撮像例も示された。昼夜・天候を問わない観測を担い、取得データの提供に向けた協議が進んでいる。

調達する4基のうち2基がデータ取得段階へ

IHIは、フィンランドの衛星メーカーICEYEから4基を調達する契約に基づき、最初のSAR衛星2基の運用と衛星データの取得を開始した。調達対象の一部が、地球観測データを取得する段階へ進んだ。

衛星の調達契約は2025年10月に締結され、安全保障、公共、商業利用向けの地球観測データの提供を目的としている。取得したデータの提供については、国内外の政府機関や民間企業との具体的な協議が進んでいる。

マイクロ波レーダーで昼夜・天候を問わず観測

SAR衛星は、マイクロ波レーダーパルスを使って地球表面の高解像度画像を生成する。IHIによると、今回運用を始めた衛星も昼夜・天候を問わず高解像度のデータを取得できる。

この観測能力の用途として、IHIは海域監視や重要なサプライチェーンの保護を挙げている。いずれも安全保障分野での利用を想定したもので、データ提供に向けた協議と並行して用途を具体化していく。

港湾画像に示された撮像範囲と解像度

IHIが示したシンガポール港の画像は、5月11日にStripモードで撮像された。撮像範囲は30km×50km、解像度は3mで、広い範囲を捉えた港湾の観測例となっている。

横浜港の画像は、5月9日にSpot Extended Dwell Preciseモードで撮像された。こちらは撮像範囲5km×5km、解像度25cmであり、二つの例では撮像モードに加えて範囲と解像度の条件も異なる。

残り2基は国内組立・試験を経て打ち上げへ

契約の残りのSAR衛星2基は、2026年夏頃から国内で組立・試験工程を実施する計画だ。IHIとICEYEが準備を進めており、打ち上げは2026年度第4四半期を予定している。

衛星数をさらに増やす場合は、調達する4基にオプションの20基を追加する計画となる。最大24基の衛星群を構築するかは、データ需要の発掘と用途の創出を通じて需要を見極めた上で判断する。