寄生植物が宿主から栄養を奪う器官「吸器」の形成に、成長因子RGFの受容体2つが必要だと分かった。モデル寄生植物では、RGFを与えると吸器の前段階にあたる前吸器が形成され、その発達に関わる遺伝子の発現も活性化した。
吸器形成の初期に働くRGF遺伝子を絞り込む
吸器は、寄生植物Strigaが宿主の根につながり、栄養を奪うための器官だ。理化学研究所のMax Fishmanらは、その形成過程を調べるため、別の寄生植物Phtheirospermum japonicumをStrigaのモデルとして用いた。
RNAシーケンシングで吸器形成初期に働く遺伝子を調べると、成長因子RGFに対応する遺伝子の発現が上昇していた。追加の実験で別の2つのRGF遺伝子にも発現上昇が認められ、形成の誘導に伴って働く候補が3つに絞られた。
RGFを与えると前吸器が形成される
候補となったRGFをモデル寄生植物に与えると、吸器の前段階にあたる前吸器の形成を誘導できた。この処理は、前吸器の発達に関わる遺伝子の発現も活性化し、器官の形成と発達に関わる遺伝子の応答が確認された。
6つの受容体の欠損実験で必要な2つを特定
RGFに対応する6つの受容体について、それぞれを個別に欠損させ、吸器形成への関与を調べた。この実験で、受容体RGFR1とRGFR3が吸器形成に必要であることが分かり、RGF側の働きに加えて、形成を支える受容体も特定された。
遺伝子重複で生じたRGF5と植物に共通するRGF2
RGFの進化を調べた解析では、RGF5が進化的に最近の遺伝子重複によって生じたことが確認された。一方、RGF2は寄生植物と非寄生植物の両方に存在し、RGFには重複で新しく生じた遺伝子と、寄生の有無を超えて共通する遺伝子が含まれている。