Semiconductor

車載ディスプレーの映像停止や色の異常を検出するICを発売

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    車載LCD向け映像処理ICが、映像の停止や誤った色、画像の破損を検出する。

  2. 実現の仕組み

    入出力の映像タイミング、信号の完全性、映像内容をIC内部で監視する。

  3. 得られた結果

    AEC-Q100 Grade 2認定済みの製品として販売を開始した。

  4. 従来との違い

    起動用MCUを必要としない、SPI Flashからの直接起動に対応した。

車載ダッシュボードのLCDに道路映像が表示され、映像処理ICがSPI Flashから受けた映像信号を確認して画面へ送る様子。画面の一部に映像停止と色の異常を示す表現がある。
AI生成画像

車載LCD向け映像処理IC「RAA278830」が、映像の停止や色の異常を検出する診断機能と、データ経路全体の安全機構を内蔵して発売された。ASIL Bの表示システム設計を支える一方、機能安全評価の完了は2025年第3四半期を予定している。

映像の入出力と内容をIC内部で監視する

半導体メーカーのルネサス エレクトロニクスが発売したRAA278830は、車載LCDに映像を受け渡すLVDS映像処理ICだ。Dual Open-LDI入出力を備え、入出力の映像タイミングと信号の完全性に加え、映像内容も監視する。

ルネサスによると、内蔵の診断・測定エンジンは映像の停止、誤った色、画像の破損を検出できる。点滅やちらつきも検出対象で、ヘッドアップディスプレー(HUD)では道路の視界を遮る画像も検出できるという。

データ経路全体に安全機構を組み込む

映像監視に加えて、データ経路全体にはCRC、パリティ、内蔵自己テストのBIST、冗長化による安全機構を実装している。これらを備えた映像処理ICは、HUD、デジタル計器、カメラモニターシステム、電子ミラーなど、ISO 26262に準拠するASIL Bの車載表示システム設計に必要な多くの機能を統合する。

ルネサスは、機能安全評価の完了を2025年第3四半期に予定している。今回の発売段階では、安全機構の実装と評価完了を区別する必要があり、評価済みのASIL B製品としては位置付けていない。

SPI Flashから起動し、複数バンクで更新に対応

起動にはSPI Flashを利用でき、起動用のMCUを必要としない。映像処理IC自身がSPI Flashから起動する構成に対応している。

更新機能では、フェイルセーフなOTA更新向けに複数バンクをサポートする。起動時の構成に加え、更新時の安全性を支える機能もICに備える。

10mm角の製品と評価ボードを提供

RAA278830は車載ICの品質認定であるAEC-Q100 Grade 2を取得しており、パッケージは72端子、10mm×10mmのSCQFNだ。この品質認定は、完了を予定している機能安全評価とは別の項目となる。

製品は3月27日からルネサスと正規代理店で購入できる。評価ボード「RTK278830」も複数の構成で提供されている。