車載LCD向け映像処理IC「RAA278830」が、映像の停止や色の異常を検出する診断機能と、データ経路全体の安全機構を内蔵して発売された。ASIL Bの表示システム設計を支える一方、機能安全評価の完了は2025年第3四半期を予定している。
映像の入出力と内容をIC内部で監視する
半導体メーカーのルネサス エレクトロニクスが発売したRAA278830は、車載LCDに映像を受け渡すLVDS映像処理ICだ。Dual Open-LDI入出力を備え、入出力の映像タイミングと信号の完全性に加え、映像内容も監視する。
ルネサスによると、内蔵の診断・測定エンジンは映像の停止、誤った色、画像の破損を検出できる。点滅やちらつきも検出対象で、ヘッドアップディスプレー(HUD)では道路の視界を遮る画像も検出できるという。
データ経路全体に安全機構を組み込む
映像監視に加えて、データ経路全体にはCRC、パリティ、内蔵自己テストのBIST、冗長化による安全機構を実装している。これらを備えた映像処理ICは、HUD、デジタル計器、カメラモニターシステム、電子ミラーなど、ISO 26262に準拠するASIL Bの車載表示システム設計に必要な多くの機能を統合する。
ルネサスは、機能安全評価の完了を2025年第3四半期に予定している。今回の発売段階では、安全機構の実装と評価完了を区別する必要があり、評価済みのASIL B製品としては位置付けていない。
SPI Flashから起動し、複数バンクで更新に対応
起動にはSPI Flashを利用でき、起動用のMCUを必要としない。映像処理IC自身がSPI Flashから起動する構成に対応している。
更新機能では、フェイルセーフなOTA更新向けに複数バンクをサポートする。起動時の構成に加え、更新時の安全性を支える機能もICに備える。
10mm角の製品と評価ボードを提供
RAA278830は車載ICの品質認定であるAEC-Q100 Grade 2を取得しており、パッケージは72端子、10mm×10mmのSCQFNだ。この品質認定は、完了を予定している機能安全評価とは別の項目となる。
製品は3月27日からルネサスと正規代理店で購入できる。評価ボード「RTK278830」も複数の構成で提供されている。