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ルネサスのIoT向けMPU、待機時の消費電力を10µW未満に

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    IoT向けMPU「RZ/G3S」は、センサー受信や電力管理の処理を2基のサブCPUへ分担できる。

  2. 実現の仕組み

    DDRセルフリフレッシュでDRAMのデータを保持し、Linuxの高速起動を可能にする。

  3. 得られた結果

    サブCPUを動かし続ける待機モードの消費電力は、ルネサスの公表値で最小40mWとなる。

  4. 従来との違い

    新しい電力管理システムを搭載し、待機時の消費電力を10µW未満に抑える設計を採用した。

センサー入力を受ける2基のサブCPUと待機中のメインCPU、データを保持するDRAMを載せたIoTゲートウェイ基板の編集イラスト。
AI生成画像

IoT向けMPU「RZ/G3S」は、低電力待機とLinuxの高速起動を組み合わせる。新しい電力管理に加え、DRAMのデータ保持とサブCPUへの処理分担に対応し、機器の動作要件に応じて待機中の構成を選べる。

メインCPUと2基のサブCPUで処理を分担

ルネサス エレクトロニクスが発売したRZ/G3Sは、IoTエッジ機器とゲートウェイ向けの64ビットマイクロプロセッサー(MPU)だ。メインCPUには最大1.1GHzで動作するCortex-A55を、サブCPUには250MHzで動作するCortex-M33を2基搭載する。

サブCPUには、センサーデータの受信、システム制御、電力管理などを分担できる。メインCPUへ処理を集中させず、機器の制御に必要な仕事を別のCPUへ割り当てる構成を取れる。

低電力待機とデータ保持を組み合わせる

ルネサスは、新しく追加した電力管理システムを、待機時の消費電力を10µW未満に抑える設計としている。サブCPUの動作を維持する別の待機モードも備え、こちらの消費電力は最小40mWとしている。

待機からの立ち上がりには、DRAMのデータを保持するDDRセルフリフレッシュを利用できる。このデータ保持によってLinuxの高速起動に対応し、待機中の処理継続と起動時の動作を機器の要件に合わせて構成できる。

PCI Expressで5G通信モジュールに接続

外部との通信にはPCI Expressを備え、5G通信モジュールを接続できる。MPU単体に無線通信を内蔵する構成ではなく、接続した通信モジュールを利用する。

周辺インターフェースにはGigabit Ethernet、CAN、USBも含まれる。5Gモジュール用の接続に加え、有線ネットワークや周辺機器に接続するためのインターフェースを同じMPUに備えている。

メモリー保護とLinuxの長期保守に対応

メモリーのデータ保護には、内蔵メモリーと外部DDRインターフェースの双方で誤り訂正機能のECCを備える。さらに、改ざん検知、セキュアブート、セキュアデバッグにも対応する。

Linuxの実行環境には、産業用途向けのCIP Linuxを基盤とするソフトウェアパッケージ「Verified Linux Package」が提供される。ルネサスは、このパッケージを利用する開発者に10年を超える保守サポートを提供する。