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ルネサスの画像AI向けMPU、上位品比で実装面積を38%縮小

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    画像AI向けMPU「RZ/V2N」は、2台のカメラを接続し、異なる角度の画像を取り込むことができる。

  2. 実現の仕組み

    推論用アクセラレーターは、pruningで計算の一部を省略し、メモリー使用量を減らして演算性能を高める。

  3. 得られた結果

    ルネサスは、搭載するAIアクセラレーターの電力効率を10 TOPS/Wとしている。

  4. 従来との違い

    RZ/V2Nは15 mm角のパッケージを採用し、上位品RZ/V2Hより実装に必要な面積を38%縮小した。

駐車場の異なる方向を向く2台のカメラが、ケーブルで1枚の小型MPU基板につながる様子を描いた編集イラスト。
AI生成画像

画像AI向けMPU「RZ/V2N」が、上位品と同系統の推論用アクセラレーターと2カメラ入力を15 mm角のパッケージに収めた。ルネサスは、計算の一部を省略するpruningを用いた推論性能を最大15 TOPSとしている。提供開始は3月19日を予定する。

計算を省くpruningで最大15 TOPSの推論

ルネサス エレクトロニクスは、画像AI向けMPUのRZ/Vシリーズに中位製品のRZ/V2Nを追加した。推論処理には、上位品RZ/V2Hと同じAIアクセラレーターDRP-AI3を搭載する。

このアクセラレーターで使うpruningは、AI推論の計算の一部を省略する技術だ。計算を省くことでメモリー使用量を減らし、実際の演算性能を高める。ルネサス エレクトロニクスは、この技術を用いた推論性能を最大15 TOPS、アクセラレーターの電力効率を10 TOPS/Wとしている。TOPSは1秒当たりの演算回数を兆単位で表し、TOPS/Wはその性能と消費電力の関係を示す。

15 mm角のパッケージで実装面積を縮小

RZ/V2Nのパッケージは15 mm角で、実装に必要な面積はRZ/V2Hより38%小さい。上位品と同系統の推論用アクセラレーターを使いながら、基板上で必要とする面積を縮めた。

ルネサス エレクトロニクスは、低消費電力によって発熱も抑え、追加の冷却ファンを不要にするとしている。パッケージの縮小に加え、冷却部品を減らすことでも組み込みシステムの小型化とコスト削減につなげる。

2カメラ入力と画像処理回路を1チップに搭載

画像の入力側にはMIPIカメラインターフェースを2系統備える。2台のカメラを接続し、異なる角度の画像を取り込むことができる。チップには画像信号処理回路Arm Mali-C55に加え、CPUとしてArm Cortex-A55を4コア、Cortex-M33を1コア搭載する。

2カメラ構成では、異なる場所から得た画像を一つのMPUで扱うことができる。ルネサス エレクトロニクスは、駐車場の車両台数計測とナンバープレート認識を1チップで処理できるとしている。

カメラの参照構成と評価環境を用意

ルネサス エレクトロニクスは、AIカメラシステムの参照構成「AI Dash Camera Solution」を開発した。RZ/V2Nに電源管理ICとリアルタイムクロックICを組み合わせ、カメラシステムを設計する際の参照に使うことができる。

RZ/V2Nには評価ボードキットとソフトウェア開発環境を用意し、50を超える用途をカバーするAIアプリケーションとAI SDKも提供する予定だ。製品は2025年3月19日から、ルネサス エレクトロニクスと正規販売代理店を通じて提供される。