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IO-Link対応センサーIC、通信処理用の外付けマイコンを不要に

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    センサー信号調整ICのZSSC3286は、2基の並列ADCで最大24ビット分解能のデジタル化に対応する。

  2. 実現の仕組み

    32ビットのArmベース演算コアが、保存した校正係数を使ってセンサーの温度ドリフトや非線形性を補正する。

  3. 得られた結果

    ルネサスは、追加マイコンの省略によってセンサー基板の面積とコストを削減するとしている。

  4. 従来との違い

    別のマイコンが担っていたIO-Linkスタックの実行を、センサー信号調整ICの内部へ統合した。

ブリッジ式圧力センサーから2本の信号経路が1つの信号調整ICへ入り、そこからケーブルでIO-Linkマスターにつながる構成を描いた編集イラスト。
AI生成画像

センサー信号の補正とIO-Linkの通信処理を、一つのICへ統合したZSSC3286が発売された。ルネサス エレクトロニクスによると、通信スタックを内蔵したことで、その実行に使う外付けマイコンが不要になった。

2経路のセンサー信号を最大24ビットでデジタル化

ルネサス エレクトロニクスが発売したセンサー信号調整ICのZSSC3286は、入力信号の増幅、デジタル化、センサー固有の補正を2経路で処理する。入力にはブリッジセンサーとハーフブリッジセンサーのほか、外部電圧源を持つ素子を接続できる。

信号のデジタル化には、並列に配置した2基のADCを使う。分解能は最大24ビットで、デジタル化したセンサー信号を内部の補正処理へ渡す。

保存した校正係数で温度ドリフトや非線形性を補正

デジタル化した信号は、32ビットのArmベース演算コアが補正する。補正アルゴリズムは、センサーのオフセット、感度、温度ドリフト、非線形性を対象とし、センサーごとの特性に応じて測定信号を調整する。

補正に使う校正係数は、再書き込み可能な不揮発性メモリーに保存する。ICはこの補正機能に加えて、測定スケジューラーとシステム診断機能も備える。

通信スタックを信号調整ICへ移す

従来のRA2E1 IO-Link圧力センサー構成では、マイコンのRA2E1、信号調整ICのZSSC3240、通信の物理層を担うICのZIOL2401を組み合わせていた。新しい信号調整ICは、IO-Linkの通信手順を実行するソフトウェアである通信スタックを内部に持ち、デジタル計測・スイッチングセンサー向けのIO-Link Smart Sensor Profileを実行する。

ルネサス エレクトロニクスによると、この内蔵スタックによって、スタック実行用の追加マイコンが不要になったという。追加マイコンを省くことで、基板面積とコストを削減するとしている。

マスター側も下位層の通信処理を内蔵回路へ

センサー側の通信統合と合わせて発売されたIO-LinkマスターICのCCE4511は、4チャネルを備え、各チャネルの駆動電流は500mAとなる。ルネサス エレクトロニクスによると、内蔵のIO-Link Frame Handlerが下位層の通信タスクの大部分を自動化し、マイコンの負荷を軽減するという。

マスターICは過電圧検出と過電流保護を備え、最高125℃の周囲温度で動作する。マスターICとセンサー信号調整ICはいずれも発売済みで、それぞれの評価キットも提供されている。