Semiconductor

自己発熱するメモリーの試験温度を安定させる新型ハンドラー

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    メモリー試験用ハンドラーM5241は、最大512サイトの並列試験に対応する。

  2. 実現の仕組み

    新しいマイクロチャンバーとオプションの能動的な温度制御で、自己発熱の大きいメモリーICの温度を安定させる。

  3. 得られた結果

    アドバンテストは、実際のメモリーICとT5801試験装置を使い、量産条件下での社内検証を完了した。

  4. 従来との違い

    保守機構に原点の自動探索と、ねじを使わないワンタッチ式の交換キットを採用した。

メモリーICを載せたトレイをマイクロチャンバー内で温度制御し、隣接する試験装置に接続したハンドラーの編集イラスト。
AI生成画像

メモリー試験用ハンドラーM5241は、自己発熱の大きいICに対応する温度制御と、配置異常の検出に連動する自動復旧機能を備える。試験装置と組み合わせた量産条件下の社内検証を終え、初回出荷は2026年第2四半期を予定している。

マイクロチャンバーで自己発熱下の温度を安定させる

アドバンテストが開発したメモリー試験用ハンドラーM5241は、新しいマイクロチャンバーと、オプションの能動的な温度制御を組み合わせる。アドバンテストによると、この構成は自己発熱の大きいメモリーICでもデバイス温度を安定させ、正確な試験条件を維持するという。

対象はDDR5、次世代DRAM、NAND、AI向けメモリーなどの高密度メモリーである。対応温度範囲は標準仕様で−40~+125℃、拡張仕様で−55~+150℃となり、低温から高温までの試験に対応する。

最大512サイトの並列試験をT5801と組み合わせる

公表仕様では、最大512の並列試験サイトを備え、処理能力は毎時最大4万6000個となる。M5241は垂直ドッキングで超高速DRAM試験装置T5801と接続し、メモリーの試験構成を組み立てる。

アドバンテストは、この組み合わせで実際のメモリーICを使った社内評価を行い、量産条件下の検証を完了したとしている。接続先はT5801に加え、既存の試験装置T5833、T5503HS2、T5835にも対応し、導入済みの装置を利用できる。

配置異常からの自動復旧と保守作業の短縮

試験中の詰まりを減らす機構として、デバイスの配置異常を検出する独自技術と自動復旧機能を連動させる。アドバンテストは、この連動によって生産ラインでの設備総合効率を高められるとしている。

保守機構には原点の自動探索と、ねじを使わないワンタッチ式の交換キットを採用した。アドバンテストによると、これらの機構は保守作業時間を従来の作業手順の4分の1に短縮するという。

工場内搬送と接続し、2026年第2四半期に出荷へ

工場の自動化設備との接続では、標準的な天井搬送設備とロボットシステムに対応する。オプションの設備管理ソフトウェアHM360は、データの可視化と予知保全を支援する。

M5241の初回出荷は2026年の第2四半期に予定されている。