Semiconductor

スマホ用画像センサー、緑と赤・青でレンズ構造を使い分け

この記事のポイント

  1. 実現したこと

    携帯機器向け画像センサーLYTIA 610は、ソニーの1/2型センサーとして初めて4K・120fpsの動画記録に対応する。

  2. 実現の仕組み

    緑画素には1画素ごとのレンズを、赤・青画素には4画素で共有するレンズを配置し、赤・青画素を位相差検出に使う。

  3. 得られた結果

    ソニーセミコンダクタソリューションズは、AF性能を維持しながら、同じ0.7µm画素のLYTIA 601比で空間解像度を20%超改善したとしている。

  4. 従来との違い

    従来製品の2×2 OCL構造から、新製品では1×1 OCLと2×2 OCLが一つのセンサー上に共存する構成になった。

スマートフォン用画像センサーの拡大模式図。緑画素には個別の小型レンズ、赤・青の4画素には共有レンズが載る構造を、カメラモジュールとともに描いている。
AI生成画像

携帯機器向け画像センサーLYTIA 610は、緑と赤・青で画素上レンズの構造を使い分ける。専用の配列変換処理と組み合わせ、AF性能を維持しながら従来製品より空間解像度を20%超高めたとソニーセミコンダクタソリューションズはしている。

緑は1画素、赤・青は4画素でレンズを使う

ソニーセミコンダクタソリューションズの携帯機器向け積層CMOSイメージセンサーLYTIA 610は、1/2型に有効約6400万画素を備える。0.7µmの画素を並べたQuad Bayer配列に、画素上のレンズであるOn Chip Lens(OCL)を二通りの構造で配置する。

RB2×2 OCLと呼ぶこの構造では、緑画素に1画素ごとの1×1 OCLを用いる。赤・青画素には4画素で一つのレンズを共有する2×2 OCLを配置し、位相差検出を担わせる。

異なるレンズを共存させ、配列変換を最適化する

二つのレンズ構造を組み込むには、サイズと曲率の異なるレンズを同じ面に配置する必要がある。ソニーセミコンダクタソリューションズは、レンズの配置を最適化する設計と高精度製造によって、この共存を実現したとしている。

混在する画素構造に合わせて、画素配列を変換するリモザイク処理にも専用アルゴリズムを開発した。比較対象の携帯機器向け画像センサーLYTIA 601は同じ0.7µm画素で2×2 OCLを採用しており、新製品では画素上のレンズ構造と、その配列に合わせた信号処理を組み合わせている。

同じ画素サイズで空間解像度を20%超改善

ソニーセミコンダクタソリューションズは、画素構造と信号処理の組み合わせにより、LYTIA 601比で空間解像度を20%超改善したとしている。この改善と同時に、AF性能を維持したという。

ここでの空間解像度は、交互に並ぶ細い白黒の線をどこまで明確に区別できるかを示す。20%超という比較値は、画素数の増加率ではなく、細部を描き分ける性能の差を表している。

AD変換の並列化で4K・120fpsに対応

動画向けには、ロジック回路に微細プロセスを採用して低消費電力化を図り、AD変換回路の並列化を増やした。ソニーセミコンダクタソリューションズは、このAD変換回路の最適化によって、LYTIA 601の2倍のデータ読み出し速度を実現したとしている。

高速化した読み出しにより、ソニーの1/2型センサーとして初めて4K・120fpsの動画記録に対応する。4K・60fpsのHDR動画記録にも対応し、公開仕様では約6400万画素で24fps、約1600万画素で60fpsの読み出しが可能だ。量産出荷は2026年6月末に予定されている。